インプラント治療の保険適用の実際

これまで、「保険が効かない自由診療」であったインプラント治療ですが、最近、ようやく保険インプラントが認められるようになったそうです。
しかし、残念ながら、インプラント治療が保険治療の対象となるための条件はとても厳しいものとなっています。
厚生労働省がインプラント治療を保険診療として認める条件として挙げているのは、
1保険診療を行っている歯科医院である
2歯科治療に5年以上携わっている常勤の歯科医師が2人以上その歯科医院に在籍している
3病院であること
4当直の制度がしっかりしていること5患者に対する安全確保のための医療機器の整備や、保守管理がきちんとしていることです。
厚生労働省が、インプラントの保険適用に乗り出したことは、高額な治療費に頭を悩ましている患者さんにとっては朗報のように見えますが、この条件では、ほとんどの歯科医院がインプラント治療を保険診療として届け出る事ができません。
その理由は、日本の歯科医院はあくまで診療所であって、「病院」ではないからです。
日本で定義されている病院とは、入院患者を受け入れることができる病棟を持っている医療機関をさしています。
歯科医院は、医療機器はあっても入院患者を受け入れる病棟はないので「病院」にはあたらないことになります。
しかも、厚生労働省は、どのようなインプラントの治療にも保険適用ができると定めているわけではなく、腫瘍や顎骨骨髄炎及び外傷などで広範囲にわたって顎の骨が欠如している相当に重い症例以外はインプラント治療に保険適用を認めないと定めています。
従って現時点では、一般の患者さんたちが保険の範囲内でインプラント治療を受けることはほとんどできないと考えるしかないでしょう。
治療を受ける患者にとっては思わずがっかりするような話ですが、歯科医師の中には、「これで診療報酬目当てのいい加減なインプラントをしたがる悪質な歯科医師が減るだろう」と歓迎している人も多いようです。
最近のインプラント人気に伴うトラブル急増のことも考えますと、現時点でインプラント治療が保険適用になっても、必ずしも患者の利益にはならないかもしれません。